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今月の健康アドバイス
院長ごあいさつ
Dr.前橋の「診療日記」
今月の健康アドバイス
 
認知症の薬にご注意
適正な処方を求める方針が決定

厚生労働省の有識者検討会は、平成31年1月25日、認知症の治療薬を使用中に幻覚や暴力、めまいなどの副作用が疑われる症状が出た場合は、医師に薬の中止や変更を検討するように求める方針を決めました。これは多くの薬を服用する事が多い高齢者に副作用などのトラブルが出るのを防ぐ事が目的です。

アリセプト(ドネペジル)、レミニール、イクセロンパッチ(リバスタッチパッチ)、メマリーなどのアルツハイマー型認知症薬では、吐き気や下痢などの消化器官の副作用に注意が必要です。またふらつきや転倒、歩行困難などの症状が出る場合もあります。人によっては薬により幻覚や怒りっぽくなることがあり、介護する人が困る場合があります。このような場合には認知症の薬を減らしたり、中止するだけで症状が良くなる場合があります。

治療効果は

ご家族の中には「薬を減らすことで認知症がひどくなるのではないか」と心配される方もいるかと思います。しかし、アリセプトなどで良くなる方は投与した人の3割程度と言われています。また長時間服用する事で介護度が下がったり、認知症の進行を遅らせる事は証明されていません。

ある先生は、施設に入所中の方でアリセプトを処方されている方の薬の量を半分にするだけで、ほとんどの方で症状が改善し、ADL(日常生活をする能力)が良くなったと言われています。

海外の見解や対応

認知症の薬は始めにアリセプトが開発され、そのあとレミニール、イクセロンパッチ(リバスタッチパッチ)、メマリーが発売されました。これらの薬について、フランス政府は最近、健康保険での支払いを中止しました。それはこれらの薬を服用しても、認知症が改善するという証拠が得られなかったためです。

また最近アメリカの大学から驚くべき研究結果が発表されました。軽度のアルツハイマー型認知症に対して、認知症の薬を処方した人の方が、処方しなかった人よりも認知機能の悪化がひどかったと言うことです。

今後の課題や可能性

実際認知症の方にアリセプトなどを処方してもあまり効いたという方は少ないですが、中にはご家族から「良くなりました」という声を聞くこともあります。認知症の特効薬がない現状では、効果が感じられる場合は継続し、効果が無かったり、服用しても症状が悪化する場合は薬を減らしたり中止した方がいいかもしれません。

国立循環器病センターでは、シロスタゾールと言う動脈硬化の防止に使われる薬が認知機能の改善に効果があることを発表しました。今後はこのような薬の使用が普及していくかもしれません。


 
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