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高血圧の方へ

高血圧はなぜいけないのでしょうか

当院には血圧が高いと言うことで、多くの方が来院されますが、血圧が高いとなぜいけないのでしょうか。

それは高血圧が持続すると全身の動脈硬化をきたし、脳卒中や心筋梗塞が増えるためです。以前は食塩摂取の増加による高血圧が多かったのですが、最近は肥満による高血圧が増えてきています。

血圧の収縮・拡張

高血圧と診断された場合、生活習慣の改善や降圧薬による治療により、収縮期血圧(高い方の血圧)が10mmHg低下すると脳卒中は30数%減少し、心筋梗塞などの冠動脈疾患は20数%減少することがわかっています。
血圧が高いと言われた方は、今後の血圧管理のため、定期的な検診や医療機関の受診をお勧めします。

血圧はどれくらい下げるとよいでしょう

病院では140/90mmHg以上(家庭では135/85mmHg以上)を高血圧と診断し、治療によりこれ未満になることを目指しますが、これは他に合併症がない方の場合です。糖尿病・慢性腎臓病の方は130/80mmHg未満(家庭では125/75mmHg未満)が望ましいとされています。

また75歳以上の高齢者の方では、血圧の下がりすぎによりふらつきなどが起こる恐れがあり、当初は150/90mmHg未満(家庭では145/85mmHg未満)を目標としますが、可能なら140/90mmHg未満(家庭では135/85mmHg未満)をめざします。

家庭血圧測定の勧め

血圧が高いと言われた場合、ぜひ家庭血圧の測定をおすすめします。

病院で高血圧と言われても、家庭では正常血圧の方もおられ、この状態を「白衣高血圧」と言います。たとえば病院では緊張して180/100mmHgとなるのに、家庭では130/80mmHgとなるような場合です。白衣高血圧の場合は、直ちに薬による治療は必要ありませんが、将来本当の高血圧になる可能性もあり、定期的に家庭血圧の測定を行いましょう。

家庭血圧測定をおすすめします

一方病院では低いのに、家庭などでの血圧が高い方がおられ、このような状態を「仮面高血圧」と呼びます。たとえば病院では130/80mmHgなのに、家庭や職場での血圧が150/100mmHgの場合などです。この場合は、正常血圧の方に比べて動脈硬化の危険が高まるため、生活習慣の改善や薬による治療が必要になります。

このように家庭血圧の測定は高血圧の診断にとても重要です。またお薬を飲んでいる場合も、薬の効果の判定や効き過ぎ(血圧の低下)のチェックなどに最適です。

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家庭血圧の測り方

1 家庭血圧計について

  1. 家庭血圧計は上腕で測るタイプのものがおすすめです。

  2. 手首で測る血圧計は使用は簡単ですが、誤差が生じやすく注意が必要です。
    手首式血圧計を使用する場合は血圧計のカフを心臓の高さ(乳首の高さ)
    の胸に固定して測るといいでしょう。

2 測る時の環境について

  1. 測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取はしないようにします。

  2. 静かで適当な室温のところで測りましょう。
    特に冬は寒くなるのでお部屋を暖めてから測りましょう。

  3. 背もたれ付きの椅子に、脚を組まずに座り、腕に巻いたカフが心臓の高さ
    (乳首の高さ)になるようにします。

  4. 1〜2分の安静の後に血圧を測ります。

適温の部屋で/背もたれのある椅子で1〜2分安静に/測る腕は心臓の高さに/喫煙・飲酒・カフェインを控える

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3 測定の時間について

  1. 測定は原則として朝と晩の2回測ります。

  2. 朝は起床後1時間以内で排尿後に、食事や薬を飲む前に、1〜2分の安静後
    に測ります。

  3. 晩は寝る前に1〜2分の安静後に測ります。
    入浴直後や飲酒の影響のある時は避けましょう。

(朝)起床後1時間以内に/排尿後に/朝食・服薬前に (夜)就寝前に/排尿後に/入浴後すぐを避けて

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4 測定回数について

  1. 朝・晩それぞれ2回ずつ測定し、すべての値を記録します。

  2. 2回続けて測った値の平均値を、その時刻の値とします。

  3. 忙しくて2回測るのが困難な場合は、1回でもかまいません。

  4. 測定日数については決まりはありませんが、少なくとも5日間測定した値
    につき、朝・晩それぞれ平均値を計算します。

朝・夜それぞれ2回ずつ測り、平均値を出します→測定した期間の平均値を出します

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5 血圧値の判定について

朝・晩それぞれの平均値が135/85mmHgを超える場合は高血圧の恐れがあり、一度病院やクリニックの受診をお勧めします。

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生活習慣を見直しましょう

バランスのよい食事で生活改善を

健康診断などで高血圧と言われたら、まず生活習慣の改善を心がけましょう。

高血圧学会では「 減塩・食事・減量・運動・節酒・禁煙 」の6つの項目について改善を勧めています。


1 減塩

塩分の多い食事は血圧を上昇させます。食塩量は1日あたり6g未満にするようにしましょう。現在の平均的な日本人の食塩摂取量は1日あたり10gを超えています。

減塩のためにはどのような食べ物に塩分が多いかを知り、そのような食品を避けるようにしましょう。たとえばカップラーメンは、汁もすべて飲むと1食で6.5gになり、1日量の塩分を超えてしまいます。主な食品の塩分量はインターネットで調べるとすぐにわかります。一度調べてみてはどうでしょうか。

なお、加工食品はナトリウム表示になっています。
この場合、ナトリウム量(g)×2.5=食塩量(g) となります。
たとえばナトリウム量2gの場合、食塩量は2×2.5=5gになります。

いきなり6g未満にするのはむずかしいかもしれませんが、少しずつ減塩すると舌が慣れてきます。徐々に減塩してみましょう。

2 食事

動脈硬化の予防のため、ガイドラインではコレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、魚(魚油)を積極的に摂ること勧めています。ただし最近の研究では脂肪分よりも過剰な炭水化物の摂取が死亡率を高めるとの報告があります。

食事で最も大切なことは必ず朝食を摂るようにし、主食と副食のバランスのよい食事をすることです。特に野菜、果物、豆類は積極的に摂るようにしましょう。ただし腎臓病の方は血液中のカリウムが増える恐れがあるので、野菜や果物の摂取について医師に相談した方がいいでしょう。

3 減量

肥満は高血圧をはじめ、糖尿病や高脂血症など、動脈硬化の原因となります。
ご自分の 体格指数(BMI)を計算してみましょう。
BMIは 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) で簡単に求めることができます。

たとえば体重80kg・身長1.7mの方のBMIは80÷1.7÷1.7で、約27.7となります。BMIが25以上の方は肥満気味となりますので、食事療法や運動療法により、体重減少につとめましょう。減量により、血圧が低下することが知られています。たとえば4kgの減量をすることで、収縮期血圧は4.5mmHg、拡張期血圧は3.2mmHg減少することがわかっています。ただし、急激な減量は健康に害をする可能性があります。無理ない程度に徐々に減量していきましょう。

4 運動

適度の運動は血圧を下げるだけでなく、高脂血症や糖尿病などの治療にもつながります。少し早足での歩行(しゃべりにくい程度)などの運動を1日30分以上行うようにしましょう。歩行や自転車こぎ、水泳などの持久運動とともに、腹筋や腕立て伏せなどの筋力トレーニングも無理ない程度で組み合わせるとよいと言われています。なお180/110mmHg以上の重度の高血圧の方や、心臓病や腎臓病などのある方は医師に相談してからにしましょう。

仕事などで、毎日30分も運動の時間を確保できない方もおられると思います。全く運動をしないよりも、週末だけでも少し多めに運動するだけでもよいでしょう。また通勤や昼休みに5〜10分早足で歩く、エレベーターでは階段を利用するなど、日常生活で少しずつでも体を動かすように意識しましょう。

5 節酒

飲酒習慣は血圧上昇の原因になります。大量の飲酒は高血圧に加えて脳卒中・心不全・不整脈・夜間睡眠時無呼吸の原因となります。飲酒習慣のある方は適量(男性は1日あたり日本酒1合またはビール中びん1本、女性はその半分)以下にするようにしましょう。

6 禁煙

禁煙が血圧を下げるとは限りませんが、喫煙は心筋梗塞や脳卒中・大動脈瘤・慢性肺疾患・肺癌などの強力な危険因子になります。ぜひ禁煙しましょう。当院では、禁煙補助薬による禁煙治療も行っていますので、ご相談ください。

これらの生活習慣の改善を1〜3ヶ月続けても診察室での血圧が140/90mmHg未満(家庭血圧が135/85mmHg未満)にならない時は、薬物療法を考慮した方がいいでしょう。

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降圧薬による治療

高血圧のお薬について

減量や減塩、運動などの生活習慣の改善にもかかわらず高血圧が持続する場合、薬による治療を開始することになります。目安としては診察室での血圧が140/90mmHg以上(家庭では135/85mmHg以上)が持続する場合、降圧薬による治療を開始します。

薬を飲み始めると一生飲み続けないといけないのではないかと不安に思われる方もおられます。確かに何年にもわたって飲み続けている方も多数おられますが、体重減少や減塩、運動、禁酒などにより薬が不要になる方も多くいらっしゃいます。また寒い時期は血圧が高くて服薬を必要としても、夏になると血圧が下がり、薬の量を減らしたり、中止される方もおられます。ご自身で家庭血圧を測っておられる方であれば、ある程度自分の判断で服薬量を調整したり中止していただいて結構です。ただし、服薬をやめると知らないうちに急に血圧が上がることがありますので、時々は血圧をチェックしましょう。

糖尿病や腎障害・心臓病・脳卒中・大動脈瘤などのある方、2剤以上の降圧薬を服用している方は、減量については主治医とよく相談して、慎重に行いましょう。

降圧薬を飲んでいただく時は原則として1日1回(通常は朝食後)、低用量から開始します。副作用のことも考え、はじめは2週間後くらいに再診していただきます。その時点で血圧が正常範囲内(診察室で140/90mmHg未満、家庭で135/85mmHg未満)であれば、次回からは1〜2ヶ月毎に処方しながら経過を診させていただきます。

一方、お薬を2週間服用しても血圧が十分下がらない場合は、その薬の量を増やしたり、新しい薬を追加したりします。

薬の量や飲み方を決めるのに、家庭血圧がたいへん参考になります。特に朝方に血圧が上がる方がおられ、このような方は脳梗塞などの動脈硬化が進みやすいと言われています。このような場合には就寝前に服薬していただくことで、動脈硬化の進行を抑えることができるとされています。

多くの方は2〜3種類の薬を併用することで、ある程度血圧がコントロールできてきます。

3種類程度のお薬を最大量服用しても血圧が十分に下がらない場合、何か特殊な原因で高血圧になっている恐れがあります。比較的多い原因としては、原発性アルドステロン症、睡眠時無呼吸症候群、腎性高血圧などですが、なかなか血圧が下がらない場合、当院ではこれらの病気についての検査を行い、必要に応じて三田市民病院などの専門病院を紹介しています。

続いて、各種の降圧薬について説明します。

1 カルシウム(Ca)拮抗薬

動脈の緊張をゆるめることにより血圧を低下させます。副作用が少なく効果が安定しています。腎臓病の方や高齢者にも使いやすく、当院では第1選択薬として最もよく使用しています。副作用として脈が速くなる、頭痛、ほてり、むくみ、便秘などがあります。

Ca拮抗薬はノルバスク、アムロジン(一般名アムロジピン)、アダラートCR(ニフェジピン)、アテレック(シルニジピン)、カルブロック(アゼルニジピン)、コニール(ベニジピン)など多くの薬があります。

2 ARB

ARBは降圧薬の中では比較的新しく開発された薬です。アンギオテンシンというホルモンの働きを抑えることにより血圧を低下させます。降圧効果はCa拮抗薬よりも少し弱いですが、糖尿病や腎臓病・心不全の方には特に有用性が高い薬です。副作用は少ないですが、腎臓病の方では血液中のカリウム値が高くなることがあり、注意が必要です。また妊婦や授乳中の方には投与が禁止となっています。

ARBにはアジルバ(一般名アジルサルタン)、ブロプレス(カンデサルタン)、ディオバン(バルサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)、ミカルディス(テルミサルタン)、アバプロ(イルベサルタン)など多くの薬があります。

またARBにはCa拮抗薬や利尿薬との合剤が多数発売されています。ARB合剤にはプレミネント、エカード、コディオ、ミコンビ、エックスフォージ、レザルタス、アテディオ、ユニシア、ミカムロ、アイミクス、ザクラスなどがあります。

3 ACE阻害薬

ACE阻害薬は、ARBと同様にアンギオテンシンというホルモンの働きを抑えることにより血圧を低下させます。心筋梗塞・心不全・糖尿病・腎臓病の方などに特に有用です。特徴的な副作用として咳がありますが、高齢者では咳をすることで肺炎の予防になると言われています。また血液中のクレアチニンやカリウムが上昇することがあり、定期的な血液検査が必要です。妊婦や授乳中の方へ投与は禁止となっています。

ACE阻害薬にはタナトリル(一般名イミダプリル)、コバシル(ペリンドプリル)、レニベース(エナラプリル)などがあります

4 利尿薬

利尿薬は腎臓から尿の排泄を増やすことにより血圧を低下させます。特に高齢者や腎障害、糖尿病、むくみのある方などによく使われます。当院では主にナトリックス(一般名インダパミド)を使用しますが、少量でも効果があるため、1mg錠やその半分量を1日1回飲んでいただきます。副作用として血液中のナトリウムやカリウムの低下、血糖や尿酸値の増加があり、定期的な検査が必要です。

利尿薬の中で、カリウム保持性利尿薬と呼ばれるものは心不全や心筋梗塞後の高血圧に特に有用です。副作用としてカリウム値の増加と、男性で乳房が大きくなる場合があります。

カリウム保持性利尿薬にはセララ(一般名エプレレノン)、アルダクトンA(スピロノラクトン)があります。

5 β(ベータ)遮断薬

β遮断薬は交感神経の働きを抑えることにより血圧を低下させます。脈の速い方・心不全・心筋梗塞後・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の方などに特に有用です。副作用として、脈が遅くなる、気管支喘息などがあります。

β遮断薬にはアーチスト(カルベジロール)、メインテート(ビソプロロール)、テノーミン(アテノロール)などがあります。

お薬について気になることは医師・薬剤師にご相談ください

これ以外にも、交感神経抑制薬(カルデナリン〔一般名ドキサゾシン〕、アルドメット〔一般名メチルドパ〕)、レニン阻害薬(ラジレス〔一般名アリスキレン〕)などの種類があります。

降圧薬を飲むことで、人によっては血圧が下がりすぎてふらつきなどが生じることがあります。またどの薬にもあることですが、アレルギーでじんま疹や湿疹が出ることもあります。
薬を飲んで気になることがあれば、一時服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

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