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今月の健康アドバイス
院長ごあいさつ
Dr.前橋の「診療日記」
今月の健康アドバイス
 
薬による高血圧の治療
減量や減塩、運動などの生活習慣の改善にもかかわらず高血圧が持続する場合、薬による治療を開始することになります。
目安としては診察室での血圧が140/90mmHg以上(家庭では135/85mmHg以上)が持続する場合、降圧薬による治療を開始します。
飲み続けないといけない?

薬を飲み始めると、一生飲み続けないといけないのではないかと不安に思われる方もおられます。確かに何年にもわたって飲み続けている方も多数おられますが、体重減少や減塩・運動・禁酒などにより薬が不要になる方も多くいらっしゃいます。また寒い時期は血圧が高くて服薬を必要としても、夏になると血圧が下がり、薬の量を減らしたり、中止される方もおられます。

ご自身で家庭血圧を測っておられる方であれば、ある程度自分の判断で服薬量を調整したり中止していただいて結構です。ただし、服薬をやめると知らないうちに急に血圧が上がることがありますので、時々は血圧をチェックしましょう。
糖尿病や腎障害・心臓病・脳卒中・大動脈瘤などのある方、2剤以上の降圧薬を服用している方は、減量については主治医とよく相談して、慎重に行いましょう。

状態を見ながら処方します

降圧薬を飲んでいただく時は原則として1日1回(通常は朝食後)、低用量から開始します。副作用のことも考え、はじめは2週間後くらいに再診していただきます。
その時点で血圧が正常範囲内(診察室で140/90mmHg未満、家庭で135/85mmHg未満)であれば、次回からは1〜2ヶ月毎に処方しながら経過を診させていただきます。
一方、お薬を2週間服用しても血圧が十分下がらない場合は、その薬の量を増やしたたり、新しい薬を追加したりします。

薬の量や飲み方を決めるのに、家庭血圧がたいへん参考になります。特に朝方に血圧が上がる方がおられ、このような方は脳梗塞などの動脈硬化が進みやすいと言われています。このような場合には就寝前に服薬していただくことで、動脈硬化の進行を抑えることができるとされています。

多くの方は2〜3種類の薬を併用することで、ある程度血圧がコントロールできてきます。
3種類程度のお薬を最大量服用しても血圧が十分に下がらない場合、何か特殊な原因で高血圧になっている恐れがあります。比較的多い原因としては、原発性アルドステロン症、睡眠時無呼吸症候群、腎性高血圧などですが、なかなか血圧が下がらない場合、当院ではこれらの病気についての検査を行い、必要に応じて三田市民病院などの専門病院を紹介しています。

降圧薬の種類

続いて、各種の降圧薬について説明します。

1 . カルシウム(Ca)拮抗薬
動脈の緊張をゆるめることにより血圧を低下させます。副作用が少なく、効果が安定しています。腎臓病の方や高齢者にも使いやすく、当院では第1選択薬として最もよく使用しています。副作用として、脈が速くなる・頭痛・ほてり・むくみ・便秘などがあります。
Ca拮抗薬はノルバスク、アムロジン(一般名アムロジピン)、アダラートCR(ニフェジピン)、アテレック(シルニジピン)、カルブロック(アゼルニジピン)、コニール(ベニジピン)など多くの薬があります。
2 . ARB
ARBは降圧薬の中では比較的新しく開発された薬です。アンギオテンシンというホルモンの働きを抑えることにより、血圧を低下させます。降圧効果はCa拮抗薬よりも少し弱いですが、糖尿病や腎臓病・心不全の方には特に有用性が高い薬です。副作用は少ないですが、腎臓病の方では血液中のカリウム値が高くなることがあり、注意が必要です。また妊婦や授乳中の方には投与が禁止となっています。
ARBにはアジルバ(一般名アジルサルタン)、ブロプレス(カンデサルタン)、ディオバン(バルサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)、ミカルディス(テルミサルタン)、アバプロ(イルベサルタン)など多くの種類があります。
3 . ACE阻害薬
ACE阻害薬は、ARBと同様にアンギオテンシンというホルモンの働きを抑えることにより血圧を低下させます。心筋梗塞・心不全・糖尿病・腎臓病の方などに特に有用です。特徴的な副作用として咳がありますが、高齢者では咳をすることで肺炎の予防になると言われています。また血液中のクレアチニンやカリウムが上昇することがあり、定期的な血液検査が必要です。妊婦や授乳中の方への投与は禁止となっています。
ACE阻害薬にはタナトリル(一般名イミダプリル)、コバシル(ペリンドプリル)、レニベース(エナラプリル)などがあります。
4 . 利尿薬
利尿薬は腎臓から尿の排泄を増やすことにより血圧を低下させます。特に高齢者や腎障害・糖尿病・むくみのある方などによく使われます。当院では主にナトリックス(一般名インダパミド)を使用しますが、少量でも効果があるため、1mg錠やその半分量を1日1回飲んでいただきます。副作用として血液中のナトリウムやカリウムの低下、血糖や尿酸値の増加があり、定期的な検査が必要です。
利尿薬の中で、カリウム保持性利尿薬と呼ばれるものは心不全や心筋梗塞後の高血圧に特に有用です。副作用としてカリウム値の増加と、男性で乳房が大きくなる場合があります。
カリウム保持性利尿薬にはセララ(一般名エプレレノン)、アルダクトンA(スピロノラクトン)があります。
5 . β(ベータ)遮断薬
β遮断薬は交感神経の働きを抑えることにより血圧を低下させます。脈の速い方・心不全・心筋梗塞後・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の方などに特に有用です。副作用として、脈が遅くなる・気管支喘息などがあります。
β遮断薬にはアーチスト(カルベジロール)、メインテート(ビソプロロール)、テノーミン(アテノロール)などがあります。

降圧薬を飲むことで、人によっては血圧が下がりすぎてふらつきなどが生じることがあります。
またどの薬にもあることですが、アレルギーでじんま疹や湿疹が出ることもあります。
薬を飲んで気になることがあれば、一時服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

 
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