コレステロールに関しては、これまでも低すぎるのは良くないなどと様々な議論がありました。
ではコレステロール値は実際のところどれくらいが良いのでしょうか。
まず、冠動脈疾患の危険性のある方はLDL-Cが低い方がいいでしょう。日本動脈硬化学会では、心筋梗塞や狭心症にかかったことのある方はLDL-Cを100mg/dl未満にすることを勧めています。
また糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞、下肢の動脈硬化症などの方は120mg/dl未満に、喫煙者、高血圧の方、50歳以降の男性では140mg/dl未満にする方が望ましいとしています。コレステロール以外に動脈硬化の危険因子がない方は、160mg/dl以下にするように勧めています。
ただし、LDL-Cが160mg/dl以上であっても直ちに薬を服用する必要はなく、まず運動や食事療法などの生活習慣の改善を数カ月間行えば良いでしょう。その上で、改善が見られない場合は薬物治療について主治医と相談してみましょう。
総コレステロール値とHDL-C値、血圧値がわかれば自分で冠動脈疾患のリスクを調べることができます。インターネットで「冠動脈疾患リスク評価」で検索して下さい。この結果で今後10年間の冠動脈疾患の死亡率が1%未満であれば、あわてて薬を飲む必要はないでしょう。 |