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認知症の方への新しい介護法

前回認知症の方への新しい介護法「ユマニチュード」について紹介しましたが、今回さらにくわしくお話ししたいと思います。

認知症の介護をされているものの、その対処法でお困りの方も多数おられると思います。
ユマニチュードでは高齢者認知症の方の特徴を知った上で、その方の気持ちに寄り添い、介護する方もされる方も幸せになるようなケアの仕方を提唱しています。
具体的には「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの技法により、認知症の方の心を開き、自立を促します。

1. 見る

認知症の方は視野も狭くなっている場合があります。また耳も遠くなっており、顔の横や上から話しかけても、わからないことがあります。

もしベッドで向こう向きに寝ておられたら、ベッドの向こう側に回り、その人の正面から視線をつかみに行くように見つめましょう。そうすることで誰が来たかを認識でき、安心するでしょう。視線があったら優しく話しかけましょう。

2. 話す

話しかけても反応のない人、しゃべらない人にはどうしたらいいでしょうか。本人からすぐに返事がなくても、会話を楽しむことはできます。

たとえば体を拭く時に「今から右腕を挙げますよ」「とっても腕がよく伸びますね」「いま背中を拭いていますよ」「さっぱりして気持ちよくなりましたね」などと実況中継しながら話しかけるといいでしょう。
最後に「一緒に過ごすことができて楽しかったです、ありがとうございます」とお礼を言うことで、お互いによい思い出をつくることができるでしょう。

3. 触れる

触れ方によって、感じ方は大きく変わります。「さあ立ちましょう」と座っている人の手首をいきなり横からつかむと、誰でもびっくりするでしょう。立つのを手伝う時は、手のひらと肘を下から優しく支え、自分の力で立つのを手伝うようにします。

4. 立つ

病院に入院して点滴をずっと受けていると誰でも足腰が弱り、特に高齢者では寝たきりになる危険があります。体を拭いたり、着替えの時などの機会を捉えて、1日に20分以上は立位でのケアを行いましょう。立ち、歩くことで社会の中にいることを自覚し、人間の尊厳を保つことができるでしょう。

気持ちに寄り添ったケアを

ユマニチュードで大切なことは、「嫌がることはしない」ということです。
施設では入浴時間が決まっているかもしれませんが、疲れて入浴したくない時もあるかもしれません。そこで無理強いすると、「ここでは嫌なことをさせられる」という記憶が残り、拒否的になって以後のケアが大変しにくくなります。

逆にこれまで述べてきたような技法を使いながら、本人の気持ちに寄り添ったケアを行うことで、介護する人もされる人も楽しい時間を共有でき、感動すら味わうことができるでしょう。

介護に関わるすべての人がこの技法を学ぶことをおすすめします。

参考図書:
「ユマニチュード入門」 / 医学書院
本田 美和子、ロゼット マレスコッティ、イヴ ジネスト(著)

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