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今月の健康アドバイス
院長ごあいさつ
Dr.前橋の「診療日記」
今月の健康アドバイス
睡眠薬、精神安定剤をやめるために
日本の病院では「眠れない」、「不安がある」などと訴えると、簡単に睡眠薬や精神安定剤を処方してもらえますが、毎日飲んでいるうちにやめれなくなっている方も多いのではないでしょうか。
依存性が指摘されているベンゾジアゼピン薬
睡眠薬や精神安定剤は「ベンゾジアゼピン薬」と言われますが、ベンゾジアゼピン薬を常用していると、うつ病や感染症、骨折などの危険性が高まり、死亡率も増えると言われています。
ですから、ベンゾジアゼピン薬はやめるのが望ましいのですが、これらの薬は数日以上続けて服用すると薬に対する依存が生じ、やめるのがむずかしくなります。
具体的には薬が切れるとイライラしたり、からだのふるえ、幻覚、不眠などが生じます。
これはいわば薬物中毒の状態で、ちょうど麻薬中毒と同じような状態になります。
実のところ、ベンゾジアゼピン薬の依存の強さは麻薬と同程度と言われています。
なお長年睡眠薬や精神安定剤を服用していた方がいきなり薬を中止すると、命に関わることもありますので絶対に急に薬をやめないでください。
ベンゾジアゼピン薬からの離脱
では、睡眠薬や精神安定剤などのベンゾジアゼピン薬をやめるにはどうすればよいでしょうか。
イギリスのアシュトン教授は長年ベンゾジアゼピン薬依存になった方の薬物からの離脱に取り組んでおり、その手法を公開して「アシュトンマニュアル」と呼ばれています。
昨年8月にその日本語版がインターネット上で公開され、その手法について簡単に説明します。
ベンゾジアゼピン薬からの離脱の原則は、
  1. 現在飲んでいる睡眠薬や精神安定剤を、ベンゾジアゼピン薬の中で最も長時間作用型のジアゼパム(商品名セルシン)に変更した上で、
  2. わずかずつ、ゆっくり、ゆっくりと減量することです。実際には1〜2週間ごとに薬を10分の1から20分の1ずつ減らしていき、完全に離脱するには半年から1年かかります。
離脱が成功するための条件は、患者本人が、きちんと実行すれば成功するという自覚を持つこと、あせらず辛抱強く取り組むこと、自分にあった方法を工夫するなど、しっかりした考えを持つことが重要です。
また、離脱のためには現在ベンゾジアゼピン薬を処方してもらっている医師の協力が得られるのが一番ですが、むずかしい場合は誰か信頼できる医師に相談しましょう。
その医師が離脱のことを知らない場合は、「アシュトンマニュアル」「薬のチェックは命のチェック49号」(医薬ビジランスセンター)のアシュトンマニュアルの解説記事を見せて相談してください。
当院でも睡眠薬や精神安定剤をやめたい方には、このマニュアルに基づいて少しずつ離脱を行っています。薬からの離脱を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
少しずつ服用量を減らしていきましょう
そうは言っても、眠れないのはつらいと思われるかもしれませんし、眠れないと病気になるのではないかと心配でしょう。
統計では、全く不眠を感じない人よりも、不眠を感じている人の方が長生きだったという研究結果があります。人間は必要な時には眠れるようにできており、少しくらいの不眠は心配ないでしょう。
なお、現在少量の睡眠薬や精神安定剤を服用し、それで健康上全く問題がないのであれば、すぐに減量や離脱を試みる必要はないかもしれません。しかし、長期的な健康への影響を考えると、できるだけ薬は減らしていくようにしましょう。
参考文献:
「薬のチェックは命のチェック49号」 / 医薬ビジランスセンター
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