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今月の健康アドバイス
院長ごあいさつ
Dr.前橋の「診療日記」
今月の健康アドバイス
より良い認知症治療のために @
〜 レビー小体型認知症への対応 〜
当院は内科、循環器科を標榜しているため、認知症の治療目的で当院を訪れる患者さんはそれほど多くありません。しかし、高血圧や心不全で通院中の方でも、加齢と共に認知症が出現してくる場合もあります。
最近発行された「レビー小体型認知症−即効治療マニュアル」(河野和彦著、フジメディカル出版)を読むと、認知症の診断と治療には多彩な認知症についての正しい知識と、患者さんの病態に応じたきめ細かい対応が必要であることが分かります。
河野先生の方法はこれまでの医学書に書かれていた内容と大きく異なりますが、患者本位の姿勢に貫かれ、豊富な臨床経験に基づいた言葉には強い説得力があります。
そこで、今回は「レビー小体型認知症−即効治療マニュアル」の内容について少し説明してみます。
レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症とは「レビー小体」というものが脳内にたまることによって起きる病気で、特に高齢男性の認知症を見たら、この病気を疑う必要があります。
その特徴は認知機能、運動機能の低下ですが、特に以下のような症状を見たらレビー小体型認知症を疑う必要があります。
1 薬が効きすぎる(風邪薬などでふらふらになる)
2 幻覚、妄想がある
3 意識消失発作
4 夜間の寝言、大声を出す
5 食事中にむせる
6 趣味もない病的なまじめさ
7 日中に眠りやすい、1時間以上の昼寝
8 安静時の手の震え
9 体が硬い感じ、体が傾く
この病気は脳の萎縮は比較的軽度で、頭部CTではレビー小体型認知症の診断はむずかしいようです。頭部CT検査では他の病気がないかを調べるために行われ、上記の所見を参考にして総合的にレビー小体型認知症と診断されます。
誤診が起こりやすいレビー小体型認知症
レビー小体型認知症になると患者さんの活動性が低下し、食欲低下、歩行障害や骨折、誤嚥による肺炎、夜間の不眠などにより、本人や家族に大きな負担になります。
そこで治療法が重要になりますが、この病気の特徴としては他の病気と誤診されやすく、また薬の副作用が出やすいと言うことです。
たとえば元気がないことから精神科を受診するとうつ病と診断され、抗うつ剤を処方されて意識障害や食欲低下が進行し、要介護度が上昇する場合があります。
また、歩行障害があることから神経内科へ行くとパーキンソン病と診断され、パーキンソン病の治療薬を処方されると妄想、幻覚が出現し、食事が取れなくなって緊急入院が必要となる場合もあります。
さらに、アルツハイマー病と診断されてアリセプトを高用量(5〜10mg)処方されると、歩行不能や食欲低下につながり、時には死の危険もあります。
河野先生は、レビー小体型認知症の治療にアリセプトは必要ですが、ごく少量の0.5〜1mgから開始するのがよいと説明されています。また、河野先生は漢方薬(抑肝散)やサプリメント(フェルガード)を併用して、めざましい治療効果を上げておられます。
老年医学に携わるすべての医師はこの病気を認識し、その治療法についても習熟する必要があることを認識させられました。
この疾患についてさらにくわしくお知りになりたい方は、この本(「レビー小体型認知症−即効治療マニュアル」)をお読みになるか、インターネットで「ドクターコウノの認知症ブログ」を参照してください。
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