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今月の健康アドバイス
院長ごあいさつ
Dr.前橋の「診療日記」
今月の健康アドバイス
糖尿病治療の新しい考え方 A
〜 食後血糖に注意 〜
当院では、糖尿病および糖尿病予備軍の方には来院時に血糖を測っています。
この時、空腹ではなくできるだけ食事をしてから測るようにしています。
なぜなら、最近食後血糖の上昇が、心筋梗塞や脳梗塞などの発症に大きく関わっていることがわかってきたからです。
血糖値の上昇に最も影響する糖質
血糖値は直前に食べた食事の内容、運動、お薬などによって大きく変わりますが、最も影響を与えるのが、食事中の炭水化物(糖質)の量です。
ここで、ある糖尿病患者さんの食事と血糖値との関係をお見せしましょう。
単位はmg/dl、食後血糖は食後約2時間に測ってもらっています。
なお、血糖の正常値は食前110mg/dl未満、食後140mg/dl未満です。
日付 食前血糖 食事内容 食後血糖
15日朝 117 トースト1枚(5枚切)、ハム1枚、ミルクティー 156
92 かにおじや2杯(卵入り) 224
110 ギョウザ16個、缶ビール1本 86
16日朝 125 トースト1枚(5枚切)、牛乳1杯 130
26日朝 111 トースト1枚(5枚切)、牛乳1杯 127
120 冷凍チャーハン 209
この方の場合、食前血糖は100mg/dl前後で比較的安定しているのに、食後血糖は大きく変動しています。
特に昼食後の血糖は224mg/dl、209mg/dlと高くなっていますが、これはおじや、チャーハンといずれも糖質の多いものを食べられたためです。
一方、夕食後はギョウザ16個とかなりカロリーがあるにもかかわらず、血糖は86mg/dlと低値でした。これはギョウザは糖質の量が比較的少なく、さらにビールを飲むことで代謝が良くなって血糖が下がったものと思われます。
一般的にはビールには糖質が含まれており、糖尿病の方では注意が必要ですが、この方は血糖降下薬を飲まれており、その影響もあって血糖値が下がったのでしょう。
糖質制限お試し食!「豚しゃぶ」
当院では、糖尿病の方にはご飯やパンなどの糖質の多い食品は控えめにし、肉、魚、卵などのタンパク質や脂質の多い食品は積極的に摂るようにお勧めしています。
糖質制限がいかに有効かを知っていただくために、糖尿病心理研究所代表の杉本正毅先生は「豚しゃぶ試験」を勧めています。
これは夕食に豚200g、豆腐1丁、きのこ、野菜を好きなだけ食べていただき、その前後に血糖値を測ってもらうものです。ただし、うどん、ご飯等は食べず、ポン酢の変わりに醤油とお酢またはすだちを使ってもらいます。
当院で患者さんに行ってもらうと、驚くべきことに食前は120mg/dl程度あった血糖が、食後には80〜90mg/dlまで下がった方が何人もおられました。同じ方に翌朝トースト1枚を食べていただくと、カロリーは低いのに血糖は150mg/dlまで上昇するのです。
自己血糖測定のすすめ
以上から、糖質制限が糖尿病の治療にいかに有効かがわかりますが、それを実感していただくためには自己血糖を測るのが一番です。
血糖測定はとても簡単、慣れれば準備から測定まで1分程度でできます。当院では80歳くらいでも熱心に測定されている方もおられます。
自己血糖測定は、インスリン注射をされている方には保険が適応され、それ以外の方には自費となります。しかし、私はむしろ糖尿病予備軍の方や発症初期の方におすすめします。
糖尿病初期の段階で食事によりきっちり血糖コントロールができると、薬を飲む必要もなくなり、合併症の心配もなくなります。
糖尿病がある程度進んでからでは、薬なしではコントロールがむずかしくなります。
当院では自己血糖測定器の貸し出しも行っていますので、お気軽にスタッフまでおたずねください。
参考文献 : 「糖尿でもおいしく食べる」 杉本正毅 中外医学社 (2009)
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